Low Vision

ロービジョンの定義

「ロービジョン」というと、なんだか難しいと思ってしまうかもしれません。そもそも「ロービジョン」とは何でしょう。
WHO(World Health Organization:世界保健機関)は「矯正視力が0.05以上0.3未満」と定義しています。一方で、現場に出てみると数値だけでは計れないことが多いのもまた事実です。
日本眼科医会では、「視力・視野のみでなく、視覚障害のために日常生活に不自由のある状態」(日本眼科医会「ロービジョンケアとは?」 https://low-vision.jp/about-low-vision-care/)と定義しています。
日常生活で、メガネやコンタクトレンズだけでは矯正できない(=よく見えない)、視野が狭くて日常生活に困っている方々も総称してロービジョン(患者)と考えます。

ロービジョンケア

そして、ロービジョン患者さんが日常生活を送るうえで、医療だけではクォリティ・オブ・ライフ(QOL=生活の質)の向上は困難です。医療を軸にして、教育、福祉、行政や私たち企業が密接な連携を図り皆さんの生活のサポートを行い、自立した生活の支援を行います。これを「ロービジョンケア」といいます。

ロービジョンケアに関わる人

上記の通り、医療(眼科医師、視能訓練士、看護師)に加え、教育(視覚支援学校)・福祉/当事者施設(点字図書館/歩行訓練)・当事者団体・補助具等販売店(眼鏡店や眼科医療機器販売企業)、そして私たちのような製造販売企業(メーカー)と多分野の連携が必要で、それぞれが異なる立場ですが、患者さんのサポートを行います。私たち企業も、ロービジョンケアに携わる責任があると考えています。

ロービジョン、視覚障害者の人数

現在、日本国内の障害者手帳(視覚)所持者は、27万3千人です。(令和6 年 5 月31 日 厚生労働省 「令和4年生活のしづらさなどに関する調査」より)

また、別の研究では視覚障害者は約164万人(内  ロービジョン者  1449千人、 失明者 188千人)とも考えられています。平成21年9月17日 日本眼科医会「視覚障害がもたらす社会損失額、8.8兆円!!」 本邦の視覚障害者の数 ロービジョンと失明(社会的失明)より

この場合、100人に1人が視覚障害をお持ちの可能性があるということです。実際に、視力は手帳保有と同等の視機能でも「取得したくない」「申請方法を知らない」などの患者さんにも数多く接してきました。

医療の進歩は今後も続きますが、昨今の国内状況である「高齢化」により、人口比率は今後も増えていくと考えられます。

業者だからできるロービジョンケアへの取り組み

私たち業者は、患者さんを治療することは出来ません。ですが、私たちが提供する「モノ」(主に情報や商品)で、情報や商品に接していただき、患者さんのQOL向上のサポートや体験を提供することができます。そこから発展して、自立した生活を後押しをすることが出来ます。これが、私たち業者だからできることではないかと考えています。私たちだからできる「ロービジョンケア」をこれからも提供していきます。

視覚障害をお持ちの方へ